このページでは、インコペアの同居から産卵、雛の誕生までのお世話を解説していきます。
ペア同居の前に巣箱の設置
巣箱は、側面と背面にキリで穴を開けて針金でしっかり固定します。このとき大切なのは、巣箱をとりつける高さです。止まり木の上で交尾をすると無精卵になる確率が高くなるため、巣箱の上で交尾させるのが理想的。そのため、オスとメスが巣箱に乗れる空間をあけて、セットしてください。
巣箱には、産座板という、中央に穴があいた板がセットされています。これは、卵が巣箱の中で散らばらず、真ん中に集めて抱卵しやすくるするためのものです。
相性がよいペアができたらいよいよ同居
ペアが出来たら、巣箱をセットしたゲージにオスとメスを同居させます。ペアが仲良く羽づくろいをし合ったりエサを吐き戻してプレゼントしている様子があれば、巣引きの時期がもてるでしょう。やがて巣箱の中に入るなどの行動もみられるようになります。
同居のポイント
ゲージは明るい場所よりも少し暗めの場所に設置する方が、成功率がアップします。同居させてしばらくはケンカをしないか観察し、ケンカをするようならしばらく別々にして様子をみましょう。
発育を促すために、カナリーシード・粟玉・麻の実・ブリーダータイプのペレットなどの高タンパクのエサをいつものエサに加えます。
発情・交尾
オスは発情するとメスに向かって肩を広げるなど、ディスプレイ行動を見せます。メスは尾羽をもち上げるような格好でオスを受け入れる体勢をとります。オスがメスを背中に乗る交尾行動がみまれると、やがてメスが巣箱に入るようになるでしょう。
発情・交尾のポイント
発情を促すために、引き続き高カロリー、高タンパクのエサを加え続けます。巣箱の上は交尾をするのに十分なスペースを空けていますか?
だんだん巣箱に入る時間が長くなりますが、エサや水の交換は普段と同じようにお世話します。
産卵
最初の交尾をしてから一週間程度でメスが巣箱に入ったままになり、産卵、抱卵がはじまります。メスが大きいフンをしだしたら、抱卵の始まりと考えてよいでしょう。
インコは1日おきに1個ずつ卵を産み、一度の巣引きで5~6個産卵します。
産卵中のポイント
産卵中は十分に栄養を摂る必要があるので、高脂肪の粟玉・麻の実、カルシウムを摂取するためのボレー粉・青菜などを与えます。普段ペレットを食べさせている場合は、栄養が強化されたブリーダータイプをあげましょう。
抱卵
抱卵している間は、おもにオスが巣箱にエサを運びます。またオスは巣箱の前で警戒して鳴いたり、巣箱を見張る行動もみられるでしょう。
インコの種類によって、メスだけが抱卵したり、オスも交代で抱卵することがあります。また抱卵の期間は種類によっても違います。
抱卵中のポイント
いつ卵を産んだか、抱卵しているかなど、巣箱の様子を時々チェックしましょう。ただし、頻繁にのぞくと抱卵をやめてしまうことがあるので要注意。とくに手乗り鳥でない場合は慎重に。この時期はゲージの置き場所は変えずに同じ環境を保ちましょう。
抱卵にはいったら、エサは通常に戻して大丈夫です。
ふ化
抱卵をはじめてから17~23日前後でふ化がはじまります。ふ化すると雛の鳴き声が聞こえてくるのでわかるはずです。卵は順番にふ化しますが、中にはふ化しない卵もあります。親鳥は抱卵を続けながら雛にエサを吐き戻して与えます。
ふ化中のポイント
巣箱の中はフンで汚れているはずですが、雛が生まれて生後3週間頃までは、巣箱のそうじはしないこと。時々雛の様子を観察しましょう。
ふ化がはじまったら、栄養価が高いエサが必要です。水も多く与えましょう。
育雛(いくすう)
親鳥は、雛に半分消化したエサを戻して与えています。ふ化した直後の雛は、身体が赤く目も開いていません。生後約1週間で目が開き始め、2週間でうぶ毛が生えてきます。
産卵された順番にふ化するため、成長度合いも差がでますが、約3週間で羽毛の色合いも鮮やかになり、筆毛が生えてきます。
育雛中のポイント
親鳥が雛を育てる大切な時期。親鳥に与えるエサは栄養価の高いエサをたっぷり与えましょう。生後35~50日ほどで、雛は自分で巣箱から出てきて巣立ちます。
雛を手乗りにしたいときは
親鳥に最後まで子育てを任せると、雛は手乗りになりません。手乗りにしたい場合は、生後21日目(3週間)を目安に巣箱からだし、人が挿し餌をして育てましょう。夏は2日ほど早く、冬は2日ほど遅く巣箱から出すのがおすすめです。
雛は全て一緒に出してもOKですが、成長が遅く小さな雛がいるときは、大きな雛から出しても構いません。雛を全て巣箱からだしたら、ゲージから巣箱を外してエサを通常に戻します。
雛は、しばらく親鳥の鳴き声が聞こえないところで育てましょう。